第20話:~問診という医療の端緒が、医療全体に及ぼす影響とは~

ラ・ポール株式会社

銀杏並木も銀世界へといざない、
日増しに季節の移ろいを自然の織りなす風景で感じるころです。

提唱するプレミアム接遇には、以下の要素がある。
巧みに、考え抜いた手段や方法を提供する際、
「相手にその配慮を感じさせずに」その行為を行い、そして心地よさを感じてもらうというものである。

抽象的な表現で理解しにくいかもしれないが、
例えば、問診票を書いていただくときに
紙挟みにペンを挟んで渡すのか、それとも別々丁寧に渡すのか。
あるいは、そのペンの向きは相手にとって都合のいいものか、プッシュ式だとすぐに書けるようにしてあるか。
インク切れはないか。全てのペンを朝一チェックしているか。など
詳細なまでに、相手にストレスを感じさせない工夫を提供すること。

ただ、問診を書いてもらうということがルーチン化していくと、このような視点は乏しくなっていく。

問診は医療の上では全てではないが、一部ではある。その一部に焦点をあて、重要視することがひいては医療全体の向上につながっていくのではないか。

先に述べた些細な配慮の一つずつが、それ自体を患者に意識させずとも相手にストレスを感じさせず安心感を与える。医療従事者と患者との信頼構築の一助となるのはもちろんのこと、より実際的には、リラックスした状態で記入することで詳細に病状を記すことになりうる。そのことでよりスムーズな診察が可能となる。問診という医療の端緒が、医療全体に良い影響を及ぼすのである。

逆に、問診票に病状を書いてもらうという行為が形骸化してしまい、そこに配慮が足りないと記載内容も充分でなく、診察の際にそれを確認することになり、却って情報不足とタイムロスという問題が生じてしまう。

医療従事者側は、小さなことではあるが考え抜いた接遇を行うことで結果が変わる。

もちろん、患者も医療を受けたいのであれば、問診内容を記載するのは当然のことだろうが、そこに相互尊重を伴うことが、卓越した医療現場の姿だと考える。

先日も診療報酬改定の記事に、今後ますます、受け手(患者側)が選ぶ時代が加速することは見て取れる。

なぜ、問診を取るのか。それは何のため、誰のため、それぞれの視点が交差する中で、最高の医療を提供したい、そして受けたい そう思う気持ちは両者とも同じである。

プレミアム接遇とは、その関係性を一歩リードして、互いに「安心の笑顔と感謝の気持ちあるいは言葉」が行き交うことである。

小さな、ささやかな気づく力とそのプロセス

その気づく力が、リスクのない、医療現場になる。

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