第26話:~新採用職員「育成の鍵」~

ラ・ポール株式会社

薫風に新緑、身に着けるものも軽やかになりました。
大型連休も終わり、どちらの医療現場でもご多忙のことと存じます。

さて、新採用職員の皆さまは順調に貴院の色に染まり始めていらっしゃるでしょうか。

新採用の看護師さん方は病棟配置が決まり、活動し始めた頃でしょう。
毎年この連休明けが、更に一段階登れるか、一歩進めるかの岐路になりますね。

先日クライアント先の理学療法士の方から
「研修の中で、『報告、連絡、相談においても 普段からのメモの取り方は重要です。』と仰っていましたが
その方法として最適なメモの取り方を教えてもらえますか」と質問を受けました。

そして、現在の自分のメモの取り方を説明しながら
もうすでに他院で経験があり「より専門職として成長していきたいので」と続けられた。

まず、私が感じたこと

1.その方の年齢からキャリアは5~6年はあるように想定されるが、とても謙虚である。

2.現時点での自分の改善すべきことに気づいている。

3.より成長していきたいと前向きである。

このような姿勢がまさしくこの時期の新採用職員には必要なことだと捉えています。

貴院の新人さんはいかがでしょうか。

1.謙虚であるということは、成長の伸びしろがある。

例えば、指導者が重要なことに関して、何度も説明を行う場面があったりすると、
「分かっている」「出来ている」「そのことは聞いた」「同じことを何度も...」

とセルフトーク(心のつぶやき)したとしたなら、今後、指導者にとっては手のかかる存在になる。

そこで、指導者側は必ず、説明の目的(医療安全に繋がる、チーム連携には必要 など)を明確にし熟知させると良いかと思います。

2.現時点で改善点に気づいている。→自己理解→客観的視点がある。

新規職員は覚えなければいけないことが満載になると、自身の現状を把握する力がやや低下します。

指導者側も新採用職員育成プログラムに併せ、時間通り、期間通り、計画通りにしようとすればするほど
理解に温度差のある新人らに手間どります。

そこで、指導者側は、指導の内容を小刻みにする。あるいはカテゴリー化する。
そして、重要なことは、フィードバックしてあげることだと考えます。

そのフィードバックの仕方が実はもっとも育成には大きなポイントとなると捉えています。

つまり、指導者自身が自分の指導の仕方(フィードバックでの言葉)に意識しているかどうかということです

言葉のつかい方によって

相手の状態は変化します。

3.より成長していきたい

「もっともっと」「より~」「改善された」という言葉を使う新人は、進展重視型 

または「これまでと同じでも...」「共通している」と言いがちな方がいたとしたら、こちらは同一性重視型

または「今までと違った」「新しいことは」という方は相違重視型

相手がどのような言葉を使い、自身の思考や感情を表現するか(伝えるか)によって
相手の認識のスタイルを知ることで、育成はより精度を上げます。

ぜひ、皆さんの現場でも

それぞれの新人から出る、言葉(質問等)にフォーカスしてみてください。

そこに、育成の鍵があります。


いかがでしたでしょうか。皆さまのお役に少しでもお役に立てましたら有難く存じます。