第17話:〜「評価」とは〜

今夏はセミの元気な合唱を聞き、例年になく、猛暑日が続きますが、
皆様お変わりございませんでしょうか。
熱中症患者の対応にご多忙な病医院様もあるかと存じます。
現場で心身病む方々へ日々誠実に向き合う医療現場の皆様へ
モノではなく生命に携わる仕事、その素晴らしさを客観的にお伝えすると共に
院長の考えと想いが自院スタッフに伝わり
成果直結でそのDNAが院内に根づく「プレミアム接遇」

患者様、貴院スタッフに提供したく、
医療機関様に医療接遇コンサルティング・研修事業を展開してきました。

これまでご縁をいただいてきたクライアント様のお力添えのお蔭で、
特許庁より「プレミアム接遇」商標登録証が届きましたことをここに報告させていただきます。
また有難いことに、このコラムを多くの研修講師の方や人材派遣会社の方々にも
登録してお読みいただいていますが、どうかご承知のほどよろしくお願いいたします。

さて、前回は「課題発見力」について
課題発見力が高いのなら、より良いコミュニケーション、よりハイレベルな医療に繋がるということで、
課題発見力をブラッシュアップする方法を書きましたが、貴院スタッフはいかがでしょうか。

今回のコラムは「評価」について
まず初めに自己評価に関して、皆さんご存じのようにその方法には二つの類型があり、
「自己フィードバック」と「他者フィードバック」である。

ここで1つ問題だが、他者のフィードバック>自己フィードバック:他者フィードバック<自己フィードバック、どちらが正解だと考えるだろうか。

マネジメントと組織行動学分野で世界一のベストセラー作家のスティーブンP.ロビンスは、著書の中で
自己の動機づけには、他者フィードバック<自己フィードバック になると述べている。

それでは同様に自己評価の際にも、他者フィードバック<自己フィードバックが有効な手立てなのだろうか。

これに関して私は異を唱える、さらに「どちらの」フィードバックが有効であるかではなく、「どちらの」フィードバックも有効であると考える。

それには、以下のような理由がある

例えばあなたが本を購入するとき、「人気の本ランキング」等を気にせず本を選ぶのか、それともそのようなランキングを参考にして選ぶのか。

あるいは、家族で食事にいく時、自分から「ここに行こう」と誘うのか、あるいは「どこに行きたい」と家族に問いかけるのか

人には、「内的基準型」と「外的基準型」という2種類がある。

そしてそれは本を買うとき、食事にいく時など、シチュエーションによって異なるものである。

では今回自己評価を行うときを考えると、まずはどちらの型に自分が該当するのかを認識することが、初めの一歩となるであろう。

では次に、他者に対する評価について述べたい。

先日伺ったクライアント様で院長の相談から
「ボーナスの時期になり、人事考課を導入するかどうか、検討している。
知人の医療機関で独自に作成した自己評価表を参考に、少し内容を変えて自院スタッフ自身に自己評価をしてもらいましたので、これを使って面談をしたいのですが、どのような形で進めるのが効果的か教えてほしい」という内容があった。

ここで、2つの問題点があると考える。

1.この評価表の指標(基準値)はあるのか。

2.この自己評価の信憑性はどうか。

その際、このような形式は一つの手段としては有益であろうが、詳細な質問内容の評価表を手に取りながら、自己評価のみで査定にするにはどうだろうかと気になった。

問題はスタッフの評価を彼ら自身の「内的基準」のみによって行っている、というところにある。

例えば、皆が5段階評価の4か5を付けている項目で、「控えめな」スタッフは実際には皆と同じくらいこなしているにも関わらず、2を自分につけ過小評価をしてしまうかもしれないし、逆の場合もある。

ここで重要なのは、一つ目の問題点にあるように例えば昨年度のスタッフとの比較を行うなど、ある基準を示すことであろう。

自分が他者を評価する際には少なくとも2つ以上のものを、比較衡量しているからである。

そして二つ目の問題にも通じることであるが、スタッフの評価をする際、彼ら自身の「内的基準」を勘考するだけでは足りない。

そこに院長または管理者等の、他者による「外的基準」を加えることが必要である。

「内的基準」と「外的基準」という一見相反する二つの基準を、高い次元で一つにしたもの、それが「他者を評価する」ということであると考える。


いかがでしたでしょうか。皆さまのお役に少しでもお役に立てましたら有難く存じます。


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