第15話:「一線を画すリーダー」〜こういう人材が欲しい!〜
街並みの様々な花色の紫陽花に、初夏のおとずれを感じるころになりました。
新年度が始まり、3ヶ月。
若葉マークに「研修中」、の名札を付けた新人を、医療現場に限らず、あらゆる場所で目にする。
いよいよ新人研修も、仕上げの時である。
先日、クライアント様先医事課リーダーから、医療接遇コンサルティング後に
以下のような質問を頂いた。
「ある企業に電話をしたら、『○○会社 新人の○○です。』と電話に出たのですが、
当院でもこのように初めから『新人の○○です。』と電話応対した方がいいのでしょうか。」
ここで私が素晴らしいと感じたこと
新人教育を任せられたリーダーが、他者の言動を感度よくキャッチして、そして、それに対して疑問を持つということ。
"critical thinking" と呼ばれる、英国教育の方法論である。
耳慣れない、見慣れない対応を受けたとき
「あれ?」「なぜ?」「どうして?」、
一歩立ち止まって、自院業務でのやり方や方法と対比させ、比較検討を行えていること。
意識をしていなければ、スルーしてしまうような些細なことを、注視することで、
接遇の質は変容していくのだ。
貴院リーダー(スタッフ)はこのような疑問や気づきを現場で活かしているだろうか。
一年間にわたり、毎月1回医療接遇コンサルティングを導入した、
急性期主体の医療法人様で、一人のスタッフに下記のような振り返りがあった。
「初回と最終回の今日と 大きく違うのは
中心に患者さんをおいて物事を考えるように、そして、出来事をあらゆる視点で、良い意味で客観的にみて、予測し、考えようとしている自分にビックリしています。」
適時適切な接遇が要求される医療現場、緊急性や重要性に応じた対応力が必要である
何の為に
誰の為に
その言動はあるのか。
医療者として
自分自身を、俯瞰し、患者さんを、中心に考える。
そして、仮説を立てるように予測力を鍛える。
もちろん、過去の経験や物事の捉え方によって、結果は異なるかもしれないが
このような予測力が大切だと、私は伝えている。
「仮説を立て、検証する」、理系的考え方である。
では、先に述べた事例のように、現状を振り返ることのできる人材になるには、
何が必要か。3つの要素がある
①接遇の必要性を理解することはもちろんだが、なぜ必要かと常に意識すること
つまり、「課題発見力」
②日常を振り返り、強みと改善点を分析する 「現状分析力」
③時間をかけ、継続する 「継続力」
目指すプレミアム接遇の実現は、一足飛びに成し得るものではない。
上記3つの事柄を、日々トレーニングすることが、重要である。
では、どのようにトレーニングしていくのか。(次回に続く)
いかがでしたでしょうか。皆さまのお役に少しでもお役に立てましたら有難く存じます。