医療接遇コラム
人材育成・スタッフ教育・離職防止

【人材育成】「研修は面倒...」反発するスタッフを最強の味方に変えるマネジメント術

貴院では、全スタッフで一丸となって取り組みたいプロジェクトや研修があるとき、まるで「部外者」のような冷めた態度をとるスタッフはいませんか?

今回は、チーム内に潜む「温度差」の正体と、スタッフが周囲に与える「影響力」のコントロールについてお伝えします。

チーム内に潜む温度差の正体と影響力

アンケートに隠された「目的はない」の真意

以前、とある総合病院様で初めて接遇研修のご依頼をいただいた時のことです。

受講後のアンケートでは、「これまでの接遇研修とは異なり、目からウロコでした」「明日からの応対を意識的に変えます」といった、前向きで建設的なご感想を多数いただきました。

しかしその中に、一枚だけ、私の目に留まった回答がありました。

研修の冒頭で投げかけた「この研修を受ける目的は何ですか?」という問いに対し、こう記されていたのです。

「強制参加なので、目的と聞かれても、ない。」

医療現場は常に多忙を極めます。医療安全や技術に関する必須研修も多く、時間外の研修に疲弊しているスタッフからすれば、「また研修か」「実務で手一杯なのに......」と感じてしまうのも、ある意味で現場の偽らざる本音でしょう。

この率直な言葉は、一見すると不真面目に映るかもしれません。しかし私は、現場の「心の余裕のなさ」や「構造的な疲弊」を教えてくれる、貴重なアラート(警告)であると受け止めました。

マイナス感情をプラスの行動へ変える

このような態度をとるスタッフは、少なからず存在します。

「腕組みをして黙っているだけだから」「ただ座っているだけだから、誰にも迷惑はかけていない」と本人は思っているかもしれません。

しかし、人間は他者の感情を敏感に読み取る生き物です。そこから発せられる「拒絶」や「冷めた空気」は、その段階ですでに周囲の士気を確実に下げ、チーム全体のエネルギーを奪ってしまいます。

最適なチーム医療を提供するためには、スタッフ一人ひとりが「自分のちょっとした言動や態度が、常に周囲に影響を与え合っている」という当事者意識を持つことが不可欠です。

感情はコントロールできなくても、行動は選べる

しかし、ただスタッフに「プロとしての覚悟を持て」「態度を改めろ」と精神論を押し付けるだけでは、現場の反発を招くだけです。医療・看護の本質は、自身の感情をコントロールしながら患者様と向き合う高度な「感情労働」です。日々の業務で疲弊しているスタッフに、研修の場でも「常にポジティブであれ」と求めるのは酷とも言えます。

大切なのは、「湧き上がるネガティブな感情(嫌だ、面倒だ)自体は否定せず、その上でどのような行動や言葉を選択するか」を伝えることです。

感情を抑え込む必要はありません。しかし、「プロフェッショナルとして、この場をどう過ごすか」という行動の選択は、自分自身でコントロールできます。その小さな選択の積み重ねが、医療リスク(失言やクレーム)を防ぐ防波堤になります。

批判的スタッフこそ組織変革のキーマン

実は、アンケートに「目的はない」と本音を書けるスタッフや、あからさまに批判的な態度をとるスタッフは、「組織を良くするための強いエネルギー」を秘めているケースが多々あります。本当に無関心な人は、反発するエネルギーすら使いません。彼らは、現場の矛盾や非効率さに誰よりも敏感だからこそ、態度で抵抗しているのです。

この「負の影響力」を排除するのではなく、適切なアプローチで巻き込んでいくこと。これこそが、医療組織における真のチームビルディングではないでしょうか。

表面的な接遇スキルを教え込むのではなく、スタッフが抱える「やらされ感」の根本にある不満や疲弊にメスを入れ、「組織を良くする方向」へと彼らの強いエネルギーを活用してもらう。

院長先生やリーダーのアプローチが変われば、かつて「批判的」だったスタッフが、今度はチームを引っ張る最強の「プラスの影響力」へと生まれ変わるのです。

「やらされ感」から「自走」へ。組織が変わった劇的な変化をご覧ください

スタッフ間の温度差を解消し、自ら考え動く組織へと生まれ変わった病院・クリニック様のリアルな事例をご紹介しています。

院長先生が抱えていた悩み、そしてコンサルティング導入後のスタッフの意識の変化など、現場の「生の声」をぜひお確かめください。

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